2018.06.27

神経を抜くか残すか、その境界線

歯は石のように中まで硬いのではなく、複雑な構造を持っています。赤と青の動静脈が神経と共に骨の中から内部の空洞に入り込んでいます。この空洞がいわゆる神経と言われる部分で、虫歯などでダメージを受けると1番下の部分から血管ごと全部取り切らなければなりません。どうしてこのような組織があるかと言うと、新陳代謝のためです。これらの血管から出た滲出液が、縞模様に見える象牙質のチューブを通って、表面のエナメル質までいろいろな成分を運びます。これによって歯の物質は常に入れ替わっていて、弾力性を保ちます。またこの多層構造は衝撃から歯を守るのに役立っています。歯のエナメル質にひびが入っている方を良く見かけますが、少し柔らかい象牙質が下から支えることでそれ以上広がるのを防いでいます。ですから神経を取ると、後々歯は割れやすくなるのです。痛みが出てしまった神経を残すことは非常に難しいことです。特に、何もしなくても夜にズキズキと痛むようなら残せる確率は低くなります。私は最近、何人かそんな歯を持つ方を診ております。大人の方の虫歯の場合はひびが入るなど、他の歯の影響を受けることが多いので、先ずはその原因をなくして、平行して内部の悪い部分の除去、鎮静作用の薬剤の塗布と進めていきます。現在は痛みがやわらいでいる方が多くほっとしております。